『精神の危機』ポール・ヴァレリー ― 2018-07-03
TwitPaneのテスト中。枕元の図
『精神の危機』ポール・ヴァレリー (恒川 邦夫 訳 岩波書店)
6月25日
なにを思ったか、ポール・ヴァレリー『精神の危機』(岩波文庫)を読んでると、100年前で「現代は知性を働かせる時間的な余裕がなくなっている」的なことをおっしゃってるので、もしかしたら、知識人は何千年もずーっと、民衆はタイプ1ばかりでタイプ2が不足していると言い続けているのかもしれない。
6月27日
で、まだ読んでるポール・ヴァレリーも、利用可能性ヒューリスティックに堕ちてはいるんだけど、フランス人のくせに、多分、ヒューリスティックスとバイアスとかプロスペクト理論とか知ったらきっと飛びついたんじゃないかと思う。行動経済学のはしりみたいなこともさらっと言ってるし。
7月3日
『精神の危機 他15篇』(岩波文庫)ポール・ヴァレリー 読了。というわけで、無知蒙昧の民衆に知性を働かせるよう教育する立場と、民衆のひとりである自分がこれまで知性を働かせて生きてきたのだから押しつけの教育は不要だとする立場のどっちにヴァレリーが立っているかという読み方も出来る。
7月3日
もちろん、教育しても無駄だという立ち位置なんですがね。
『中相撲殺人事件』小森健太朗 ― 2018-07-08
ごはん待ち
『中相撲殺人事件』小森健太朗(南雲堂)
7月8日
『中相撲殺人事件』小森健太朗 読了。まずね、表題作がないの。でも『中相撲事件』はあるの。そういう針の穴を通すような繊細さを無駄に消費するポトラッチ感?脱力感? 最終話の堂々たる論理の浪費感? ストーリーと理屈の説明に隷属すればするほど際立つ個性の登場人物たち? ある意味傑作?
『中相撲殺人事件』小森健太朗(南雲堂)
『うつ病九段』先崎学 ― 2018-07-16
ごはんの催促にきたことを忘れていた方
『うつ病九段』先崎学(文藝春秋)
7月3日
『うつ病九段』先崎学 読了。概ね、回復期前半まではこんな感じ。ぼくの場合も週10誌のマンガ雑誌がいっさい面白くなくなって何も読めなくなった。カルヴイーノを読んで笑ったときに少し回復した実感があった。でも先崎さん、もうちょい奥さんに感謝せいやという気もするが。碁界から怒られるでw
『心理学をまじめに考える方法』キース・E・スタノヴィッチ ― 2018-07-22
暑くて目から光線
『心理学をまじめに考える方法 真実を見抜く批判的思考』キース・E・スタノヴィッチ (金坂 弥起 監訳 誠信書房)
7月9日
『心理学をまじめに考える方法 真実を見抜く批判的思考』キース・E・スタノヴィッチ をまじめに読み始めました。みんなも読むといいんだけど、こういうのはそもそも「自分はまじめに考えていないかも」なんて自信のないひとだけじゃないか、というのがなんとも。
7月16日
『心理学をまじめに考える方法』キース・E・スタノヴィッチの、第八章「収束証拠の重要性」を読んでから記事を書け。
科学論文は一部不備であったり誤りであることの方が圧倒的に多い。対立する仮説群を全部叩き潰すような研究など極稀。何百という論文を集めて、生き残る仮説を検証するのが科学だ。
7月22日
あ、『心理学をまじめに考える方法 真実を見抜く批判的思考』キース・E・スタノヴィッチ 読了。
科学の成立条件を網羅的に平易に解説しているので、わしが文科省のえらい人なら、高校の副読本にするのに。
とくに心理学がなぜ科学として認められづらいかがよくわかる。
7月22日
心については誰でも独自の常識を持っていて、もちろん、このショートカット的心の理論(直感心理学)がないと共同生活が著しく困難になるので当然なのですが、それが何でもありなので疑似科学のハイエナたちの食い物にちょうどよく、なにがなんでも餌場を守ろうとするからなのである、と。
7月22日
いまや、喫煙が肺ガンのリスクをあげることによほどの狂信者でもない限りは反対しないでしょうが、実は幼少時に暴力的なドラマやゲームに長時間接した方が暴力的傾向が増すことはすでにほぼ証明されているにもかかわらず、
7月22日
既得権者は「この論文では逆の結果がでている」「この研究では相関関係であって因果関係ではない」と個別の都合のよい研究結果だけを持ち出し、一般人は「でもぼくはストⅡやってたけど喧嘩は嫌いだよ(笑)」とか、一笑に付す。
7月22日
でも、これは「収束証拠」とか「統制実験」という科学的な手続きを無視しているこの上なく非科学的な態度で、ヒトという種が統計的な考え方を致命的に苦手としていることとあいまってこの数十年の圧倒的な心理科学の進展がほとんど一般的にならない。
7月22日
そんな嘆きから、10年以上も改訂を続けているスタノヴィッチおじちゃんのとても良い教科書です。
精神分析学を科学だと思っているひとが読むと、いきなりのフロイト完全否定に叩きつけるかもしれませんが、監訳者の金坂先生が日本精神分析学会正会員として訳注で本文とバトルするという出オチありw
『猫城記』老舎 ― 2018-07-28
バンダナをいただきましてな
『猫城記』老舎 (稲葉 昭二 訳 サンリオSF文庫)
6月25日
おめでとう。いま『猫城記』老舎を読んでます。変なもんですねw
7月28日
『猫城記』老舎 読了。猫がたくさん出てきてたくさんかんたんに死ぬのでつらいです。猫の額の皮はそんなに剥げないと思います。学校が全部大学で入学と同時に卒業して先生を殺すところが面白いです。でも、おおむね頭が悪い書き方をされて猫には評判が悪そうです。筆に勢いがあるので読まされました。
『猫城記』老舎 (稲葉 昭二 訳 サンリオSF文庫)
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