『プロット・アゲンスト・アメリカ』フィリップ・ロス2014-11-06

枕元の本を晒してみる

枕元の本を晒してみる


『プロット・アゲンスト・アメリカ』フィリップ・ロス(柴田元幸 訳 集英社)


11月4日

「プロット・アゲンスト・アメリカ」、300ページ超えて、テーマもキャラクターもプロットも文体(翻訳)も、いままでで一番くっきりはっきり出来ているが、どうにも乗れない。このあとに期待。


11月6日

「プロット・アゲンスト・アメリカ」フィリップ・ロス 読了。ロスを読むなら、まずはこれを。1940年、実際にあり得たかもしれないリンドバーグ大統領(有名な反ユダヤ主義者)の元で、ニューアークのユダヤ人街で暮らすフィリップ・ロス一家が静かに(そして、加速度的に)壊れていく恐怖。


11月6日

視点人物は7〜9歳のフィリップで、語り手は(おそらく現在の)フィリップ。「われらのギャング」「素晴らしいアメリカ野球」などでアメリカの偽善を拡声器最大で批判してきたロスが、音を絞って絞って読者の心臓を静かに知的に握りつぶす作品を書いた。


11月6日

ザッカーマンものやケペシュものを読んで嫌気のさした方も、これはきっと評価すると思います。性的な自分探しテーマはほぼないので。




『プロット・アゲンスト・アメリカ』フィリップ・ロス(柴田元幸 訳 集英社)

『ダイング・アニマル』フィリップ・ロス2014-10-26

寒がりゴブ

寒がりゴブ


『ダイング・アニマル』フィリップ・ロス(上岡 伸雄 訳 集英社)


10月22日

「ダイング・アニマル」フィリップ・ロス 読了。表紙がこれなんだが、ほんとうに内容読んでから決めたのかね。ここは乳房、おっぱいでなきゃダメ、失格。内容は「乳房になった男」ケペシュの老後のセックス自慢。ロス、ノーベル賞辞退も同然…。


10月26日

「背信の日々」に対する「いつわり」と同じように、「ダイング・アニマル」は「ヒューマン・ステイン」の一人称形式(ストーリーも人物も違うが)という感じ。初めてロスを読むなら「素晴らしいアメリカ野球」でお願いします。


10月26日

とは言え、ロスの「American Pastoral 」が映画化。 http://eiga.com/news/20140815/1/… きっとノーベル賞当て込んで翻訳は済んでると思うので、出してくだされ。


10月26日

ついでに、「ダイング・アニマル」も映画化されていて、ペネロペ・クルスがおっぱい役に体当たりの「エレジー」。デニス・ホッパーが詩人のジョージなのか…。(観てないのでノーコメント)




『ダイング・アニマル』フィリップ・ロス(上岡 伸雄 訳 集英社)

『ヒューマン・ステイン』フィリップ・ロス2014-10-22

今日の猫

今日の猫


『ヒューマン・ステイン』フィリップ・ロス(上岡 伸雄 訳 集英社)


10月14日

というわけで、またもノーベル賞を逃したので「父の遺産」以降の4作は翻訳出ないと諦め、フィリップ・ロス「ヒューマン・ステイン」読む。


10月22日

「ヒューマン・ステイン」フィリップ・ロス 読了。たくさんのキャラクターの穢れを、お馴染みの座付作家ネイサン・ザッカーマンが想像し再現する。「背信の日々」なんかに比べて明らかにコミックなんですが、ぜんぜん笑えない。とっつきやすい傑作だけど、書き切るにはあと倍の枚数が必要かも。




『ヒューマン・ステイン』フィリップ・ロス(上岡 伸雄 訳 集英社)

『父の遺産』フィリップ・ロス2014-05-31

ガボにさっさと読めと言われた分厚い本たち

ガボにさっさと読めと言われた分厚い本たち


『父の遺産』フィリップ・ロス(柴田元幸 訳 集英社)


5月31日

「父の遺産」フィリップ・ロス 読了。ネタばらしすると、フィリップ・ロスの父、ハーマンは最後に死ぬ。ユダヤ人移民としてアメリカで保険会社で家族のために闘い八十幾つで病と闘いそして死ぬ。すべての読書が再読なら、すべての人生が何度も何度も生きられた繰り返しだ。何ひとつ忘れてはならない。




『父の遺産』フィリップ・ロス(柴田元幸 訳 集英社)

『いつわり』フィリップ・ロス2014-05-18

今日のガボとゴブ

今日のガボとゴブ


『いつわり』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)


4月24日

ロスの「背信の日々」を読んで100ページあまり、六日間戦争後10年のイスラエル訪問から加速度がついたように気違いじみた展開に急転直下で凄まじいことになっておるのです。ネーサン・ザッカーマン、一世一代の危機。


5月18日

「いつわり」フィリップ・ロス 読了。「背信の日々」から地の文を省略した会話文小説。プイグのように映像はまったく浮かばない。かと言って思弁的でもなくいつも通りフィリップ(!)が不倫しまくり、不倫相手に自己分析をさせまくり、狂気のように自己言及しまくり、それなのに静かな読み心地。




『いつわり』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)

『背信の日々』フィリップ・ロス2014-04-27

今日の自堕落

今日の自堕落


『背信の日々』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)


4月24日

ロスの「背信の日々」を読んで100ページあまり、六日間戦争後10年のイスラエル訪問から加速度がついたように気違いじみた展開に急転直下で凄まじいことになっておるのです。ネーサン・ザッカーマン、一世一代の危機。


4月27日

「背信の日々」フィリップ・ロス 読了。おれは昔からポストモダンだった、と人格の複数性・被造性・性性でネーサン(ヘンリー)・ザッカーマンが変わる有様をテクニカルに書いてみせた。喩えとして、私小説以外の武器を持たないパワーズ、または、ほぼ同時に書かれた「夢の木坂分岐点」ユダヤ版。


4月29日

フィリップ・ロスは、過去に囚われているユダヤ人という見方を徹底的に貶める。ユダヤ人自身もユダヤ人以外も、もちろん自分自身の分身たちも。


2019年1月2日

邦訳されたなかでロスの最高傑作は『背信の日々』。90年代以降で『American Pastoral』も訳されてないのはいかがなものか。




『背信の日々』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)

『背信の時』フィリップ・ロス2013-12-26


『背信の時』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)


12月25日

フィリップ・ロス「背信の時」のザッカーマン兄弟の浮気癖が鬱陶しくなってきたので、文庫化された「リロ・グラ・シスタ」(詠坂雄二)に浮気。私はきっと真相に迫ったな。


12月26日

「背信の日々」が正解。(誰も気にしてなくても自分で気になる損な性分)


12月19日

「解剖学講義」 フィリップ・ロス 読了。訳者が、主人公のネーサン・ザッカーマンを「ロス自身である」となんの留保もなく断言してるのは一体なんだ。宮本陽吉はバカなの? ロスが一生懸命に書いていたのは、自分のことしか書けない作家ネーサンのことだ。それはロスじゃないぞ。ナイーブ過ぎる。




『背信の時』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)

『解剖学講義』フィリップ・ロス2013-12-19

今日のガボさん

今日のガボさん


『解剖学講義』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)


12月19日

「解剖学講義」 フィリップ・ロス 読了。訳者が、主人公のネーサン・ザッカーマンを「ロス自身である」となんの留保もなく断言してるのは一体なんだ。宮本陽吉はバカなの? ロスが一生懸命に書いていたのは、自分のことしか書けない作家ネーサンのことだ。それはロスじゃないぞ。ナイーブ過ぎる。




『解剖学講義』フィリップ・ロス(宮本陽吉 訳 集英社)

『解き放たれたザッカーマン』フィリップ・ロス2013-11-24


『解き放たれたザッカーマン』フィリップ・ロス(佐伯泰樹 訳 集英社)


11月17日

今年の目標、ロスを全翻訳通して読むこと。
『さようならコロンバス』
『ルーシィの哀しみ』
『ポートノイの不満』
『われらのギャング』
『乳房になった男』
『素晴らしいアメリカ野球』
『男としての我が人生』
『素晴らしいアメリカ作家』
『欲望学教授』
『ゴースト・ライター』


11月17日

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『解剖学講義』
『背信の日々』
『いつわり』
『父の遺産』
『ヒューマン・ステイン』
『ダイング・アニマル』


11月21日

フィリップ・ロス「解き放たれたザッカーマン」p.55-56 人でなしの名文。こんなこと書いてるからノーベルさんから嫌われる。


11月24日

「解き放たれたザッカーマン」フィリップ・ロス 読了。ネイサン・ザッカーマン、ついにベストセラーで大人気作家に。その代償として何もかもから「解き放たれ」る顛末。 私小説・性生活・不倫・家庭内葛藤的ウジウジ自分探しの旅が大好きな日本人にロスはうけるはずなんだけどなー。




『解き放たれたザッカーマン』フィリップ・ロス(佐伯泰樹 訳 集英社)

『ゴースト・ライター』フィリップ・ロス2013-11-15

おそうじガボ

おそうじガボ


『ゴースト・ライター』フィリップ・ロス(青山南 訳 集英社)


11月12日

フィリップ・ロス祭りも後半戦。「ゴースト・ライター」 ネイサン・ザッカーマン、再登場。三部作の始まり。まー、同じ話っちゃあ同じなんですが。この頃から多分ロスは心臓機能がおかしくなっていたはず。でも、表現欲と性欲は衰えず。偉大。


11月16日

「ゴースト・ライター」フィリップ・ロス 読了。 ケペシュの粘着質な内省に比べ、ザッカーマンのはタガの外れた妄想で物語としてまだ読みやすい。訳者の青山南さんが「もっと遠くまで行ってほしいと心から思っています」と訴えてますが、このどこへも行かない全力の足踏みがロスなんですわいなー。




『ゴースト・ライター』フィリップ・ロス(青山南 訳 集英社)