『売女の人殺し』ロベルト・ボラーニョ2013-10-04

先行入手でお連れいたしましたよ。ボラーニョ。

先行入手でお連れいたしましたよ。ボラーニョ。


『売女の人殺し』ロベルト・ボラーニョ(松本健二 訳 白水社)


9月29日

次はロスの合間の箸置きに、「売女の人殺し」。 …これ、箸置きにちょうどいいんですよね。けけけ。


9月29日

「売女の人殺し」ボラーニョなう。亡命チリ人Bの連作集ぽい。写真が挿入されていれば、最底辺のゼーバルト。


10月1日

たったいま「売女の人殺し」の表題作を読んで凍りついていた…。


10月1日

そして「売女の人殺し」から 「帰還」を読んで笑いながら震えている。


10月4日

「売女の人殺し」ボラーニョ 読了。ボラーニョの短編のどこが面白いのか、僕には説明できない。文学と聞いて思い浮かべる要素を真っ黒に塗りつぶし、はみ出たところを即物的に表現すると、こうなるか? いや、ならない。なら、三面記事を散文詩で書くとこんなかも? うーん、読めば分かるんだけど。




『売女の人殺し』ロベルト・ボラーニョ(松本健二 訳 白水社)

『男としての我が人生』フィリップ・ロス2013-10-13

いただいたおもちゃで遊ぶものたち

いただいたおもちゃで遊ぶものたち


『男としての我が人生』フィリップ・ロス(大津栄一郎 訳 集英社)


10月4日

そして、ひとりフィリップ・ロス祭りに戻る。「男としての我が人生」ネイサン・ザッカーマン初登場。


10月10日

ロスの「男としての我が人生」の、妊娠したのしないのおろすのおろさないの死ぬの出てくの結婚するの別れるのと大騒ぎのソープ・オペラぷりに笑うしかない。(一般的には呆れるところであろうか) メタのレベルは用意されているけど、まあ、こんな作風なのでやっぱりノーベル賞は無理かな。


10月10日

ノーベル文学賞も三人同時受賞とかにすればどんどん捌けるのに。ユダヤ系であることの意味を追い続けたり忘れたりした偉大なユダヤ系作家、フィリップ・ロス、トム・ストッパード、ポール・オースターの三名に! みたいな。


10月13日

「男としての我が人生」フィリップ・ロス 読了。 ネイサン・ザッカーマンものを長編の冒頭に置きさえしなければ、性的嗜好を愛と言い、火宅のひとが破滅し、悪妻に悩まされる作家の話が大好きな日本人にはこの作品が大ヒットしただろう(嘘)。メタの視点が登場人物の怒号にかき消されてしまう奇作。




『男としての我が人生』フィリップ・ロス(大津栄一郎 訳 集英社)

『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』バンジャマン・ペレ2013-10-14


『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』バンジャマン・ペレ(鈴木雅雄 訳 風濤社)


10月13日

他人が自分の悪口をいっていると教えられたある人物が、それを教えた人物に答えていった。「君がそれを聞いて喜ぶと思わなかったなら、相手も君にそんなことをいいはしなかっただろう」(バンジャマン・ペレ「サン=ジェルマン大通り一二五番地で」)


10月13日

バンジャマン・ペレは、早く生まれ過ぎた吾妻ひでおである。


10月14日

「サン・ジェルマン大通り一二五番地で」バンジャマン・ペレ 読了。詩集じゃなくて、いわゆるコント集。ブルトンのあれとかこれとか思い浮かべて敬遠してるひとは「ピュルシェリは車が欲しい」を立ち読みするとよいよ。自動書記による無意識の解放とは無関係な無意味で腹を抱えるほど笑った。(続)


10月13日

(続)歴史的にはずーっとダダ~シュルリアリスムグループでブルトンの追従者のように言われているそうですが、この作品集を読む限り、たぶん他のどこも受け入れてくれなかっただけじゃないかな。意味や物語のずらし方のユーモアはむしろウリポだけど、恣意性の塊なのできっとクノーは嫌うだろうな。




『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』バンジャマン・ペレ(鈴木雅雄 訳 風濤社)

『素晴らしいアメリカ小説』フィリップ・ロス2013-10-20

冷たい冷蔵庫の上の猫

冷たい冷蔵庫の上の猫


『素晴らしいアメリカ小説』フィリップ・ロス(大津栄一郎 訳 集英社)


10月4日

そして、ひとりフィリップ・ロス祭りに戻る。「男としての我が人生」ネイサン・ザッカーマン初登場。


10月10日

ロスの「男としての我が人生」の、妊娠したのしないのおろすのおろさないの死ぬの出てくの結婚するの別れるのと大騒ぎのソープ・オペラぷりに笑うしかない。(一般的には呆れるところであろうか) メタのレベルは用意されているけど、まあ、こんな作風なのでやっぱりノーベル賞は無理かな。


10月20日

「素晴らしいアメリカ小説 ーーニューアーク市立図書館」


10月20日

諷刺文学はもっとも深い人間性に達しない限り歴史とともに古びていく、と一般には思われているが、アメリカに限っては全くあてはまらない。アメリカへの諷刺はアメリカ合衆国よりも、もしかしたら民主主義よりも長寿を誇る文学である。(March Hare=bro 2013)


10月20日

「素晴らしいアメリカ作家」フィリップ・ロス 読了。このリプライ先の感想に加え、ロス自身はユダヤ性に拘っていなかったことが分かる。「小説の(中略 )のめざすものは、ユダヤ人がユダヤ人自身や他人たちに想像されていくところを想像することだろう」p.274


10月20日

カフカの生活から作品を読解する批評の後、カフカがもしアメリカに逃亡しヘブライ語学校のドクター・カフカ(59歳)になっていたら、という掌編があり、ここでも結婚を約束し気違いじみた手紙で破談となる。…「だが、カフカが逃げてゆくだろうか? ありえない。」


2016年5月2日

中森明夫はロスの他の作品を読んだのだろうか。『素晴らしいアメリカ野球』と同系統の作品は『われらのギャング』くらいしかなくて、本質的には私小説作家だそ。もっとレベルの高いところで「小説を武器に私を歪める私小説作家」という箱に入れて筒井康隆とロスを比較するならま だしも。


5月2日

いや、私は、翻訳されたロス作品しか読んでないので、もしかしたら『素晴らしいアメリカ野球』系列がたくさんあるのを私が知らないだけかも。中森明夫はみんな原書で読んでるのかも。可能性はゼロではない。


5月2日

ちなみに、『素晴らしいアメリカ野球』の文庫版解説は井上ひさし。筒井康隆は『われらのギャング』を『みだれ撃ち涜書ノート』で絶賛している。


5月2日

というわけで、筒井康隆や井上ひさしも絶賛のフィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』は傑作ですよ。




『素晴らしいアメリカ小説』フィリップ・ロス(大津栄一郎 訳 集英社)

『代替医療解剖』サイモン・シン2013-10-27


『代替医療解剖』サイモン・シン、エツァート・エルンスト(青木薫 訳 新潮社)


10月27日

「代替医療解剖」サイモン・シン エツァート・エルンスト 読了。著者の一方のエルンストさんは代替医療専門学部を創設した大学教授、シンさんとは敵ではないか? と思ったが、結果として代替医療はほぼ全否定。第一章の「科学的根拠にもとづく医療」に納得出来ない場合は先を読んでも無駄ですよー。


10月27日

でも、たとえプラセボ効果と言われても、風呂上がりのマッサージはやめられまへんな~。


2014年8月31日

「代替医療解剖」サイモン・シン エツァート・エルンスト を読んで、代替医療がいかに害悪であるか知っていただきたく。




『代替医療解剖』サイモン・シン、エツァート・エルンスト(青木薫 訳 新潮社)