『小相撲殺人事件』小森健太朗2018-05-05

今年も笹団子がたくさん届きました

今年も笹団子がたくさん届きました


『小相撲殺人事件』小森健太朗(文春e-Books)


5月5日

『小相撲殺人事件』小森健太朗 読了。小さいw ミステリ史上最小のこじつけトリックかw 6月に出るという『中相撲殺人事件』でも御前山が活躍するんですね? いよいよ論理の迷宮へwww




『小相撲殺人事件』小森 健太朗(文春e-Books)

『嘔吐』J‐P・サルトル2018-05-12

嘔吐ならまかせろ

嘔吐ならまかせろ


『嘔吐』J‐P・サルトル(鈴木 道彦 訳 人文書院)


4月29日

いい天気なので『嘔吐』を読もう。


5月4日

サルトルの『嘔吐』でゴールデンウィークが終わりそうなぼくが言うのもなんですが、こういうのを若い衆に読ませるのは、常に最初から始める哲学のいちばんたちの悪い影響を与えそうで、ぼくが司書ならもう少し科学的(論理的)なものも同時に混ぜますね。


5月12日

『嘔吐』サルトル(鈴木道彦訳) 読了

以前、外国文学オールタイムベスト30選んだときには入ったんだけど、なんだね、こうして20年ぶりくらいに新訳で読み返してみると、うーん、傑作だわ。まあ、他のサーさまのは大概挫折してるので、流行りの挫折本を量産してるひとだが。


5月12日

サルトルの戯曲や短編はすごいのばかりだけど(『エロストラート』でぼくは道を踏み外した)、『嘔吐』がやっぱイチオシ。独学者の変人ぶりとかアニーの変人ぶりとかロカンタンの変人ぶりとか、寒空にベンチに座ってるおじさんの変人ぶりとか、…と書いてきて、まあ、ロカンタン、友だちいないなー、


5月12日

サルトルの戯曲や短編はすごいのばかりだけど(『エロストラート』でぼくは道を踏み外した)、『嘔吐』がやっぱイチオシ。独学者の変人ぶりとかアニーの変人ぶりとかロカンタンの変人ぶりとか、寒空にベンチに座ってるおじさんの変人ぶりとか、…と書いてきて、まあ、ロカンタン、友だちいないなー、


5月12日

そこがいいところだ。ひとりならいいけどふたり作ると地獄だし。そもそも、ひとりでいても目に入る物すべてが「うるさい」と感じて、そう感じている自分の声もうるさかった若い頃はもう、これ、おれの話だと思ったもんね。いつの間にかあまり感じなくなったなあ、と思ったら、最近またぶり返して、


5月12日

これゃ、やばい病気かもとも思うが、もう、未来に投企しようにも、未来から投棄されてるし、ああ、そんなだからまたこんな精神状態なのか、とか人生の終わりにさしかかっても、グチグチ考えてしまうひとは、まあ、諦めるしかないか。


5月12日

それはともかく、若い衆は、この厨二病じみた小説みたいなものを読んで、そのまま大陸哲学にいくと、たぶん、知性の無駄遣いになるので、大陸型ではない哲学や科学思想も合わせて読んでみてくだされ。デネットとかドーキンスとか面白いから。間違っても、文章や論理展開が難解だから


5月12日

これはきっとすごい思想なのだ、などと思わないように。たんに面白がって読むならいいけど。哲学も思想も論理的な論理と反証可能性がなければたんなる宗教なのでね。けっこう人生無駄遣いしたぼくからの遺言です。




『嘔吐』J‐P・サルトル(鈴木 道彦 訳 人文書院)

『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール2018-05-19

一心同体、メシくれブラザース

一心同体、メシくれブラザース


『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール(村井 章子 訳 文藝春秋)


5月12日

『帳簿の世界史』も面白いわ。ハードカバーで買おうとしたら置き場所問題で忘れてたから電子書籍で読んでるけど、濃いわー。


5月19日

この際、私もいちおうなんにでも意見を言えるというところで、予算審議でなんで加計問題とかやってるんだ予算を審議しろよ、などというコメントもたまに見かけるが、『帳簿の世界史』を読むと、文字どおり複式簿記に善と悪の借方貸方をつけるのがあの場なんだよね、ということがよくわかる。


5月19日

『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール 読了。帳簿の威力で成功し、その透明性を恐れた権力が衰退する、っていう複式世界史。そもそもマタイが儲けちゃいかんがちゃんと利子を取りなさいとか言うのでキリスト教圏大混乱。あのトマス・アクィナスが公正価格なんていう抜け道を編み出したそうで。楽しい。




『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール(村井 章子 訳 文藝春秋)

『ティール組織』フレデリック・ラルー2018-05-26

今日のドアップ

今日のドアップ


『ティール組織』フレデリック・ラルー(鈴木 立哉 訳 英治出版)


5月19日

なんか話題らしいので『ティール組織』読み出したんだけどさー、これ、ほんとに読み進んでも怒り出さない系? 科学とは云わないけど少なくとも何らかの客観性のある分野? 「進化」はたぶん翻訳のせいだとしても、なんで組織に色つけんの? 発達心理学「だけ」で組織論を押し通すわけじゃないよね?


5月20日

「達成型パラダイム的な現代科学の視点は、合理的に推論する私たちの能力を曇らせかねない「感情」を警戒する。一方、多元型パラダイムはときにその対極に行く。すなわち意思決定の基礎として分析的な「左脳」によるアプローチを拒絶し、「右脳」的な感情を重視する。…


5月20日

…進化型パラダイムは「知ること」についてのあらゆる領域を積極的に利用する。(…)なぜ私は怒りを覚え、恐れ、大胆になり、あるいは興奮しているのだろう? この感情を通じて、私自身や私の置かれている状況について何が明らかになってきているのだろう?」(p.14%)


5月20日

うさんくせー!なんかもうダメじゃね?これ紙本だと500ページくらいあんだよね。もうやめようかなー。

という判断に傾きつつあるということが明らかになってきている。


5月20日

(ちょっとびっくりしたが、どうもなにに怒っているのかわかってもらえていないようだ。)


5月20日

(実例が後ろにあるから買ったんだし、まだ読んでもおるが、第一部の調子のままだったら評価は変わんないと思う)


5月20日

(もうけっこう爆発的に売れているそうなので、泡沫読者のたわごとと思し召せ)


5月20日

第Ⅱ部の実例になったら、めっちゃおもろい。爽快感すら感じる。第Ⅰ部はきっと悪夢だったんだ。


5月21日

第II部、最終章(人間としてのの全体性の回復的な)あたりから、スピリチュアル色が出て参りました。さあ、このあとどうなる。


5月21日

第4章であった。なんか既視感があると思ったが、あれだ、吾妻ひでお先生の描くアルコール依存症の皆さんの互助会の雰囲気だわ。「はい!○○!」「わたしは今朝、道に迷っている人を案内して遅刻しました。これは正当な行為でしょうか」「はい!○○!」みたいな、あんなの。おれこの会社、無理だわ。


5月25日

意地でも読み終わるつもりだが、実は8割方その通りだと思っているんだよ。残り2割がスピリチュアル過ぎて腹がたつわけでね。

『知ってるつもり 無知の科学』の集団的知能とかとも親和性が高いモデルなの。


5月25日

マイマンドフルネスだの瞑想だのヨガだのそんなに流行りなのか。


5月25日

相当あたまのわるい文章だったのであろうか。


5月26日

『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』フレデリック・ラルー 読了

最初に、面白い本であることは間違いありません。お金と時間に余裕があって、いまの会社生活に不満がある方はきっと楽しめます。はい、前口上終わり。


5月26日

でだ。もしスピリチュアルなことが私よりも嫌いな人なら、読んでもいいのは第Ⅱ部第1,2,3章と第Ⅲ部第 2,3章、そして、全体性(ホールネス)と存在理由がでたらとばす、とした方が後味はよろしいかと思います。
要は、セルフマネジメントを中心にした何社かの組織の具体例は抜群に面白い。


5月26日

ただし、比較される現行組織(階層型)の具体例は一切ない。ツイッターで腐るほど見ているのでいらないといえばいらないが、比較対象の一方がない(付録のアンケートもティール組織と思われる十数社にしか行っていない)のでもはや学術的には無価値。


5月26日

インタビューも引用も全てその筋の有名人ばかり、ラルー氏が原注で告白するように確証バイアスにどっぷり浸かっております。
ですが、先にあげた章の具体例は実に面白い。
その核心は「中間管理職がいないので間接費がバカ安」、これに尽きる。現場で全工程をやることの良さは


5月26日

「従業員のホールネス」も「組織の存在理由」も霞んで見えるほどの素晴らしさ。あの膨大な無駄レイアを取っ払ってしまえたら、べつに自己実現だの組織の目的との一体感だのはどうでもよろしい。階層型組織でも無駄レイアのスリム化は可能だし、ティールとか言い出さなくてもいいはずだ。


5月26日

で、私の業界で言いますと、まあ、ユーザー企業のシステム部門から独立してきたSIer系はほぼ階層型。外資はそれよりもフラットだが五十歩百歩。で、昨今のマイクロサービスだのモード2クラウドだののスピードにはまったくついていけてない。これ、中間管理職の意思決定の遅さと間接費のせい。


5月26日

それは、チームが個別で10人程度に小分けしているからなのね。この枠でオンコール以外の時間(50%)でやりたい改善をやってもいいよ、と期待されている。それをどんどん他のチームに売り込んでいる。フィードバックがある。でも、グーグルが階層型組織でないとは誰も言わんだろう。


5月26日

なので、進化論を根本から間違えている進化型(ティール)組織を名乗らずに、前記の実現を尽く阻む中間管理無駄レイアを効果的にスリム化する具体的な技術論を研究すると良いと思う。

あ、部長職のために部を分割して組織を小さくするのは今もやってるね。(これが意思決定を遅くする元凶だがw)


5月26日

といった感じで、読みたいひとは読むとよいし、読みたくない人は読まないでもよいし、その辺はセルフマネジメントしてくだされ。


6月6日

そういや、『ティール組織』にもこれでもかってくらいアインシュタインの言葉が引用されていたな。スピリチュアルと一緒にするな。


6月15日

『ティール組織』からスピリチュアルを外して読むと、こういうことも導けるので、ほんとうにあのスピリチュアルさ加減が残念だ。




『ティール組織』フレデリック・ラルー(鈴木 立哉 訳 英治出版)