『機械探偵クリク・ロボット』ピエール・アンリ・カミ ― 2014-03-13
『機械探偵クリク・ロボット』ピエール・アンリ・カミ(高野優 訳 早川書房)
3月13日
「機械探偵クリク・ロボット」ピエール・アンリ・カミ 読了。探偵は発明者のアルキメデス博士じゃね?とか、クリクは暗号製造機で謎を増やしてるだけじゃね?とか、フランス人、喋りすぎじゃね?とか、そういったツッコミで楽しく読むと、ああ、こういうところからウリポが生まれたんだなあと思う。
『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』バンジャマン・ペレ ― 2013-10-14
『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』バンジャマン・ペレ(鈴木雅雄 訳 風濤社)
10月13日
他人が自分の悪口をいっていると教えられたある人物が、それを教えた人物に答えていった。「君がそれを聞いて喜ぶと思わなかったなら、相手も君にそんなことをいいはしなかっただろう」(バンジャマン・ペレ「サン=ジェルマン大通り一二五番地で」)
10月13日
バンジャマン・ペレは、早く生まれ過ぎた吾妻ひでおである。
10月14日
「サン・ジェルマン大通り一二五番地で」バンジャマン・ペレ 読了。詩集じゃなくて、いわゆるコント集。ブルトンのあれとかこれとか思い浮かべて敬遠してるひとは「ピュルシェリは車が欲しい」を立ち読みするとよいよ。自動書記による無意識の解放とは無関係な無意味で腹を抱えるほど笑った。(続)
10月13日
(続)歴史的にはずーっとダダ~シュルリアリスムグループでブルトンの追従者のように言われているそうですが、この作品集を読む限り、たぶん他のどこも受け入れてくれなかっただけじゃないかな。意味や物語のずらし方のユーモアはむしろウリポだけど、恣意性の塊なのできっとクノーは嫌うだろうな。
『文体練習』レイモン・クノー ― 2012-11-24
まけじと今日のガボ
『文体練習』レイモン・クノー(松島征・河田学・原野葉子・福田裕大訳 水声社)
8月31日
文体練習の新訳まで9月に…。
10月3日
まずは「文体練習」をお迎えいたした。
10月10日
新訳読んでませんが朝比奈訳は素晴らしいです。RT @mikechatoran: クノーの『文体練習』、朝比奈訳と新訳のどっちを買おうか迷ってるうち、ふっと原書 'Exercices de Style'を買うてしもーた。とても読み通せるとは思わんが。んで、旧訳と新訳、どっち買おう?
11月23日
「文体練習」や「文体練習」の文体を練習しても「文体練習」や「文体練習」にはまったく敵わないけれど「文体練習」があれだけ文体練習した16年後の「文体練習」の文体練習はやんわりむりやりげんなりしつつもほんのりすんなり範なり。
11月24日
(「文体練習」の松島先生のオマケ論文、p.159の表はマラルメをdisする気まんまんですか?w)
11月24日
「文体練習」クノー 新訳(松島征+原野葉子+福田裕太+河田学) 読了。朝比奈訳が持っていた「綺麗に訳し過ぎ」の部分を、複数人で掘り下げて意想外な原文の仕掛けを浮き上がらせた労作。朝比奈さんの「65.定義すると」では、クノーの意図的な誤りをさらに綺麗に間違えているのが可笑しいw
11月24日
訂正 福田祐太さんではなく福田祐大さんでした。(申し訳ない) RT 「文体練習」クノー 新訳(松島征+原野葉子+福田裕太+河田学) 読了。朝比奈訳が持っていた「綺麗に訳し過ぎ」の部分を、複数人で掘り下げて意想外な原文の仕掛けを浮き上がらせた労作。//
11月26日
ああっ、すいません! @sggk22: ごめんなさい「裕大」なのです……。師匠の訳業に丁寧なコメントくださり、本当にありがとうございます。RT 訂正 福田祐太さんではなく福田祐大さんでした。(申し訳ない) RT 「文体練習」クノー 新訳(松島征+原野葉子+福田裕太+河田学)
11月26日
間違いを間違いで訂正してしまう粗忽者ですが、「文体練習」は傑作翻訳であることは分かります。
11月26日
訂正「文体練習」クノー 新訳(松島征+原野葉子+福田裕大+河田学) 読了。朝比奈訳が持っていた「綺麗に訳し過ぎ」の部分を、複数人で掘り下げて意想外な原文の仕掛けを浮き上がらせた労作。朝比奈さんの「65.定義すると」では、クノーの意図的な誤りをさらに綺麗に間違えているのが可笑しいw
11月26日
(朝比奈さんを茶化した罰であろうか…)
『棒・数字・文字』レイモン・クノー ― 2012-08-25
寝るゴブ
『棒・数字・文字』レイモン・クノー(宮川明子 訳 月曜社)
8月2日
買ったよ! コルタサル「遊戯の終わり」「秘密の武器」 クノー「棒・数字・文字」 トーマス・ブルスィヒ「サッカー審判員フェルティヒ氏の嘆き」
8月2日
「棒・数字・文字」なう。
8月10日
クノー「棒・数字・文字」の初めの方はずっとアカデミーが守るフランス語に対して生きている話し言葉の新フランス語の綴りの話。あと、新フランス語はチヌーク語の「形態素」→「意義素」と並べる構造と似ているという考察。
8月10日
それは、あれが先で後にあれが来るの。代数的な構造、そんで具体的な固有名詞みたいな。(「正しい」文章だと)代数的な構造が先に置かれ、その後に具体的な固有名が続く。みたいな。
8月17日
「棒・数字・文字」「野生の蜜」「言語の基盤 脳・意味・進化・文法」…その他たぶん数冊、読中。そして「我らが影も声」読初。
8月25日
「棒・数字・文字」にドフォントネー「スターあるいはカシオペア座のΨ」というのが *まったく意味不明に* 再話されていて、これのことだと調べるまでわかんなかったw http://t.co/tJKmcZVo やっぱり国書刊行会か、そしてちゃんと「レーモン・クノーが再発見」とある。
8月25日
「棒・数字・文字」は、インディアンの絵文字による詩や散文もあって大変たのしい。あと、80頁ほどなので読み切るか。それとも「青い脂」にするか。
8月26日
「棒・数字・文字」レーモン・クノー を先行。読了。面白い。クノーの生の苦悩が出てきて(ミロ論に混ぜ込んでなぜ占領下で芸術家と現実の臍の緒切りをするのかを漏らしたり)形式を重んじるウリポの親玉の生の生の声が聴けるし。巻末の若島正先生のセクスティーヌ説明の引用がやっぱり難解で爆笑。
9月2日
よく「耳がいい」っていう作家への褒め言葉があるけど、あれはどうなのかな。バーセルミの「日常会話の99%は無意味」や、クノーの「棒・数字・文字」でも口語は書き言葉と全く違うと言うように、小説の話し言葉は相応の約束事で、その辺に転がってる会話とはまったく違うと思うのですよ。おおむね。
『ポール・デルヴォーの絵の中の物語』ミシェル・ビュトール ― 2012-04-24
『ポール・デルヴォーの絵の中の物語』ミシェル・ビュトール (内山憲一 訳 朝日出版社)
4月24日
「ポール・デルヴォーの絵の中の物語」ミシェル・ビュトール読了。デルヴォーの絵を表現する文章に既に「地底旅行」が引用され、夢の記述にビュトールの作品が引用され、天を巡る星座にビュトールの生い立ちが引用され、数ページ前の文章が引用され襞のように折り込まれ引用され寛衣の襞のように…。
『ポール・デルヴォーの絵の中の物語』ミシェル・ビュトール (内山憲一 訳 朝日出版社)
『チューブな形而上学』アメリー・ノートン ― 2011-11-28
チューブな形而上学』アメリー・ノートン(横田るみ子 訳 作品社)
11月27日
「チューブな形而上学」なう。おっかしい。
11月28日
「チューブな形而上学」雨理・ノートン読了。日本で生まれて三年間(ただし2年半はチューブとして存在)の自伝。アメリーが「ママ、パパ」の次に話す言葉を何にするか悩むとこなど抱腹絶倒。/「くつ」? いや違う。くつはそれほど重要な地位にない。なぜなら、くつがなくても歩けるではないか。/
11月28日
(続) アメリーが三歳までに人生の全てを知り尽くしてしまう超絶小説。…そんでこの著者近影の超絶美人ぶりではもう人気出るのは当たり前w
『家出の道筋』ジョルジュ・ペレック ― 2011-10-09
『家出の道筋』ジョルジュ・ペレック (酒詰治男 訳 水声社)
10月4日
「家出の道筋」ジョルジュ・ペレック なう。「ヌーヴォー・ロマンと現実拒否」が、若者の特権触れるもの皆傷つける威勢のいいヌーヴォー・ロマン批判でわろた。解説にもあるけど、ヌーヴォーな人たちはペレックを持ち上げたんだよねw
10月5日
(カバンのなかがグショグショ。ペレック本が…。ごわごわにならないようにプレスしながら乾かしてみる…)
10月6日
まだ読んでるとこだけど、ペレックの『家出の旅路』には、収容所文学や「普通のこと」への考察を通じて、3.11や 9.11のあとでなぜ文学がまだ存在できるのか、の答えがある。3.11で文学が変わったとか変わるべきだとか云うひとは必読。
10月9日
「家出の旅路」ジョルジュ・ペレック読了。例えば「好き、好きじゃない ー 連の続きに…」の最後の"ジョルジュ・ペレック"の署名のクスッと笑う快楽。「千九百七十四年中にぼくが暴飲・暴食した液状・固形飲食物の目録作成の試み」でウサギと野ウサギは別の食材として分類される驚き、(続く)
10月9日
(続き)もちろん「スティル・ライフ/スタイル・リーフ」」で示されるクォーツ時計で示される二つの時刻のどちらが先でどちらが後なのかを詮索する本質的で無駄な試み。こういった全てが大文字の文学からも「手に汗握る」エンターテイメントからもほど遠い、(続く)
10月9日
(続き)公園の隅で年老いた猫を撫でるような愉しみであるのだ。そして年老いた猫が知っている世界の謎と叡智を汲み出すには撫でて遊ぶ以外どんな方法があるのだろう?
『地下鉄のザジ』レイモン・クノー ― 2011-10-03
『地下鉄のザジ』レイモン・クノー (久保昭博 訳 水声社)
10月2日
「地下鉄のザジ」久保昭博訳から読んでます。生田耕作訳をときどき見ながら。今のところ新訳のほうが軽くて久保ザジのほうがちょっとだけ(まだ自粛)。例の「けつ喰らえ」ですが、…いやこれも自粛w ぼくは久保訳のほうがしっくりくるな。つか「けつ喰らえ」は前からきつすぎてどうかと思ってた。
10月2日
(「地下鉄のザジ」新訳で至福なう。おれはこっちのほうが生田耕作訳より断然押し。言葉の端折り方が気持ちいい。登場人物の輪郭もはっきりしている。もともと輪郭がはっきりしてない登場人物ははっきりとはっきりしてない)
10月3日
「地下鉄のザジ」レーモン・クノー(久保昭博訳) 読了。登場人物のエッジが綺麗に出ている。輪郭がはっきりしない登場人物も不明確さがはっきりしているので、物語の最後に向かって滝のように皆の輪郭が壊れていく様が痛快。言葉遊びを日本語で楽しめるのも嬉しい。最初の一文の素晴らしさなんて!
10月4日
「地下鉄のザジ」の訳者の久保昭博さんのアカウントをどっかで見たと思ったのだけど...。「ザジ」の解説がまた素晴らすい。
10月4日
「地下鉄のザジ」は、ルイ・マルに映画化されてクノーの名を爆発的に広めた(のでいまも邦訳が出てる)んだろうけど、映画のイメージにひきづられるのはクノーの文章を読む上では明らかにマイナス。目に見えるものは正しくないという作品だし、ヘタに映像を思い浮かべるとそこで想像がストップするし。
10月4日
@akihirokubo フランス語は分かりませんが、素晴らしい翻訳でものすごく面白かったです! 冒頭の一文がひっかかっるなと思って最後までいくと「なるほど」とうなってしまいました。(生田先生訳はそんなこと全然わからないですし) どうもありがとうございました。
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』ジャック・ルーボー ― 2011-08-08
そして、ぬこ×2
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』ジャック・ルーボー (田中淳一 訳 水声社)
8月8日
「ジャック・ルーボーの極私的東京案内」(水声社)を電車の中で読むと、この電車がどこまでも止まらずに走り続ければいいのに!と思う。
8月8日
「ダールグレン」を読むと頭が悪くなった気がする。「ジャック・ルーボーの極私的東京案内」を読むと頭がよくなったように錯覚する。
8月8日
「ジャック・ルーボーの極私的東京案内」から引用 「通りが一方向で下り坂のときは反対方向では上り坂になる傾向があるのは日本でも変わらない」
8月8日
(ビー玉の喩えがかえってわからない…)
8月10日
ジャック・ルーボーのかけ算詩(でっちあげ)
1) タコが2匹 くねる足 8×2=16
2) 2×8=16 くねる足 人間が8人
3) 2匹のタコは 8人の人間となんら変わりない
4) ときにはスシネタになることもある
8月11日
「ジャック・ルーボーの極私的東京案内」読了。TOTOのショールームでもらったカタログを列挙するおかしさや、自動販売機の飲み物を「ビックル、デカビタ…」と数え上げる律儀さや、「得も言われぬ奇抜な服装をした」5人の品川女子軍団にコケにされるルーボーや、そんな笑いのなかに(続く)
8月11日
通りすがりの庭を覗きこんで「大きなむき出しの壁に、少なくとも五メートルの高さまで巨大な薔薇の木が伸びている。若い女が、私の驚嘆ぶりに気をよくした様子で、水をやっている」とサラッと書かれると、ありありと目に浮かんで胸が温かくなるような、優しい筆づかい。ウリポと聞いて(続く)
8月11日
また言葉遊びと数学的な遊びか、と腰がひけるひとにぜひ読んで欲しいのであります。この上なく楽しく知的な東京案内。田中淳一先生の翻訳はたぶんベスト(というか解説読んだら、もうこれ以上ムリでしょうw) 水声社さま、どうもありがとうございます!
2012年2月4日
『煙滅』ジョルジュ・ぺレック ― 2011-06-11
(ああ、また出た。「頭部の金具が柄の側へと折れ曲がった刺股」 同じ文様を「逆さの三叉」と云っているので「碇」に決めた… 「ファウストが草稿の文末へ押すとされる、あの呪われた花押」も同型?「煙滅」p.113 ) こんなの
『煙滅』ジョルジュ・ぺレック(塩塚秀一郎訳 水声社)
6月11日
(やっと「煙滅」読んでるんだけど、いきなり「頭部の金具が柄の側へと折れ曲がった刺股」が何なのか浮かばないので、ボンのように悶々状態)
6月11日
(もしかして「碇」? ということにしておかないと先へ進めない) RT @march_hare_bro: (やっと「煙滅」読んでるんだけど、いきなり「頭部の金具が柄の側へと折れ曲がった刺股」が何なのか浮かばないので、ボンのように悶々状態)
6月11日
赤い眼のなにか…
6月11日
(「モレルの発明」と「煙滅」ボンちゃんの関係ってなに? 「喪失」か? そういうことにして先に進む…)
6月11日
(「煙滅」、確かに「だからなに?」と言いたい気持ちもとてもよく分かる。がしかし、見えなかったものが急に見えてくる快感にエンドルフィンが一度でも出てしまうと、もはや手遅れ)
6月12日
(ああ、また出た。「頭部の金具が柄の側へと折れ曲がった刺股」 同じ文様を「逆さの三叉」と云っているので「碇」に決めた… 「ファウストが草稿の文末へ押すとされる、あの呪われた花押」も同型?「煙滅」p.113 ) こんなの ---> http://j.mp/kE0J8g
6月15日
(きょうの「煙滅」の気になるひとこと。「カタカナの「ノ」のごとく、すっくと立ってたよ」....................................! ジョジョ立ち!?)
6月17日
(メモ ペレック「煙滅」第一版第一刷 p273 『…の目を奪うような、賛嘆の的「に」なる事が… 』 ついに、イ段発見)
6月17日
おお、もしかして唯一の発見だったら大自慢www RT @do_dling とのことです。いやあ気付きませんでした。 RT @takagiy: わたしの持ってる2刷バージョンでも確認出来ました!!
6月18日
(水声社にメールでいちおうお知らせしようかと思ったら、サイトのどこにもアドレスがなかったw お問い合わせは電話かFAXっていつの時代w)
6月18日
ペレック「煙滅」校正終了w もったいないので二周目まで解説は読まずにおこう。言葉を忘れた横溝正史やシェイクスピアがが面倒くさくなって大虐殺みたいな。抱腹絶倒のユーモアミステリーだと思う。わかってるのは1割くらいですがw
6月18日
(「煙滅」二周目の前に「アインシュタイン交点」 もちろん「ダールグレン」の助走)
6月19日
仕事をクビになったら、フランス語を勉強してPerec《La Diaparition》を原書で読むたい。
6月22日
そういや、水声社に例の偉業wをまだ報告してなかった。めんどうだから、このままにしておこうかなw (きっともう刷らないだろうし)
最近のコメント