『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ2014-11-29

11月24日のガボさん。りんごのカバーをかぶせてみた

今日のガボさん。リンゴのカバーをつけてみた


『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ (東江一紀 訳 作品社)


2013年12月3日

まず「Stone」がどんな作品か紹介しろや。トム・ハンクスが出てきてもさっぱり。 RT @ReutersJpEnt 英「今年の本」は50年前に絶版の小説、翻訳版で一躍ベストセラーに http://bit.ly/IHOEg6


2014年11月18日

節度をもって本の買い溜めに行った結果、以下のものを買いましたのでご報告申し上げます。(さっきのツイートと矛盾してる気もするけど) 『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ 『1941年。パリの尋ね人』パトリック・モディアノ 『心を生みだす遺伝子』ゲアリー・マーカス あれ、作品社が2冊。


11月25日

『ストーナー』(ジョン・ウィリアムズ)を読み始めたわけですが、ダメでしょう、これ。もうね、泣くよ、泣きますよ? どばどば泣きますよ? 拷問ですよ?


11月28日

「ストーナー」が痛々しくて、古栗の「股間の大転換」に一時避難したあと、「野獣死すべし」をCSで観て、「そう、これで終わりって酒だ。カチッ。あ、あ、は、は、あんた運がいい」と家人に何度も繰り返して「うるさい!」と怒られたので寝ます。


11月28日

『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ 読書中。もうね、心が痛くて、私、もう、もう。静謐なとか、純粋なとか、そんなクリシェで表現できないよ。モノの形のデッサンを光と影でざっくり始めるのが正統派なら、『ストーナー』は最初から細い線で細密に象っていくのですよ。


11月29日

『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ (東江一紀 訳 作品社)読了
もうオールタイムベストでいいです。死んだら、これを棺に入れてください。ちょっといま感想文が書けないくらいアレなので、後ほど。


11月29日

『ストーナー』の主人公ウィリアム・ストーナーは、普通の人間で、普通の人生を送り、
いや、いや、違う。


11月29日

『ストーナー』の惹句にある、美しい、悲しみ、純粋、感動、どれも嘘ではないが当たってもいない。人の一生を、 美しい、悲しみ、純粋、感動、などで飾ってもその人の一生には到底及ばないのと同じで

いや、そうじゃなくて。


11月29日

そもそも、ストーナーはダメな男です。貧乏な農家の長男で農学部として大学にやってもらったのに、必修の英文学概論の講義で教師がシェイクスピアのソネットを朗読し「ストーナー君、このソネットは何を意味するのだろう?」という問いかけられただけで、親を捨てた人非人です。

ちがう。


11月29日

文学的な手法でいうと、『ストーナー』はリアリズム小説と思われるでしょうが、現実を映し出した小説ではなくて、一個の現実で、家族も大学の同僚も生きてる人間で

ちがう。ちがう。


11月29日

文章はこれ以上ないほど平易。感情の爆発もドラマチックな展開もほとんどない。必要十分なことが全て書いてあるが、書いてあることだけ読む人には物語の面白さは伝わらない。でも、ストーナーの問いに一生かけて答える覚悟が、ぼくにあるかと言えば、多分ない。

そんな傑作です。


11月29日

すいません。あとはもっと旨い書評を読むか、もっと手っ取り早いのは『ストーナー』そのものを読むかして下さい。


11月29日

ひとつ書き忘れ。訳者の東江一紀さんは今年の6月に亡くなっており、この『ストーナー』が遺作。その経緯を、弟子にあたる布施由紀子さんがあとがきとして書かれており、これが本作と木霊してひとつの作品になっているのです。あとがきは最後に必ず読むことをお薦め。


11月29日

そんなに単純な小説じゃない。 RT @yodamina 書評:ストーナー [著]ジョン・ウィリアムズ | http://BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト http://book.asahi.com/reviews/reviewr/2014111600008.html… #bookasa @BOOK_asahi_comさんから


11月29日

もしやろうと思えば、小説内で論じられる小説と文法の関係や、登場人物の内面を描く視点、文学の存在理由、などなど物凄いテクニカルな作品なのよ。ロスの『背信の日々』あたりをも上回るよ。(ロス作品と比較するのは面白そう)


11月29日

なんだか日本語がおかしいのは興奮してるからなのよ。


12月11日

ああ、そう言えば、翻訳小説の初心者向けは何かって話題がありましたな。私は、 『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ(作品社)を強力に推薦。日本語が読めさえすれば、超初心者から小うるさい原理主義者まで、あらゆるレベルの読み方が可能。エモだと思って読まず嫌いは大損だと思います。


12月18日

「言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで」今井むつみ・針生悦子
「言語における意味 意味論と語用論」アラン・クルーズ
「ナウ・ローディング」詠坂雄二
「駄作」ジェシー・ケラーマン
「ストーナー」ジョン・ウィリアムズ

#2014年の本ベスト約10冊 その二


2015年1月31日

『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ(作品社) ジョン・ウィリアムズがもし『ローマックス』を書いたなら、ローマックスの最期もきっと幸福であったはずだ。 #wtb5


3月1日

『ストーナー』をdisったかに聞こえるトヨザキ社長の「黒ストーナー」発言。あれがぼくも言いたかったことなのよ。ただただ「美しい」「純粋」といった読み方は半分で、敵役の妻や同僚を主人公にジョン・ウィリアムズが書いていればきっと美しく幸福な人生になっていたはずの多層的な作品なのです。


4月13日

著しく支持しましたー! RT @nihonhonyakut また読者の著しい支持を受けた翻訳として「ストーナー」東江一紀訳(作品社)が読者賞に決まりました。https://besttranslationaward.wordpress.com/ #日本翻訳大賞




『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ (東江一紀 訳 作品社)