『地図集』董啓章2012-05-03


『地図集』董 啓章 (藤井省三、中島京子 訳 河出書房新社)


4月29日

「地図集」の最初の二篇を読んで心底感心する。上手だな〜。楽しいのは「少年神農」の方だけど、「永盛街興亡記」の()の使い方になら抱かれてもいいわ。


4月29日

(「地図集」理論篇はちょっとだけ退屈かな…)


4月29日

「地図集」じわじわ。「四環と九約」の九約のお話が泣ける。それからのび太が笑える。それと総督府からの夜の眺めの今昔物語が粋。あと…。


5月2日

「地図集」街路篇まで。通菜と西洋菜を輪作していたからって、街路の名前を夏と冬で変えるってどういう理屈www


5月2日

「共感できない」最右翼のカフカに、どいつもこいつも共感しくさってからにw


5月3日

「地図集」p.214 誤植 「改革派は指南進を対抗戦略として…」 => 「改革派は皆南進を対抗戦略として…」 だと思うがどうか


5月3日

「地図集」董啓章(トン・カイチョン)読了。イントロの「少年神農」「永盛街興亡史」は複数の歴史や伝承や記憶やアイデンティティが重なり合ってはいるものの動いている物語があるので読み易いかな。とにかく細部まで実に巧くコントロールしているので、身を委ねて読み進められる。 (続)


5月3日

(続)と思って「地図集」理論編に入ると、さあ大変、ボルヘスもカルヴィーノもエーコもバルトもみんな「明示的に」パロディの対象となっておりますので、帯の紹介文「中国語で書くカルヴィーノ、あるいはボルヘス?」というのはちょっと当たってない。董は単に香港の有り様を正確に描写する(続)


5月3日

(続)ための方法として、彼らの方法や作品や彼らのブランドイメージを利用しているだけ、と見た。どんなイメージか? ここで香港の歴史をおさらいしなければならない。(………)という複雑な成り立ちを「地図が(香港の)本質に先立つ」という痛快な視点で語ってみせるのである。(続)


5月3日

(続)えーとなんだっけ、あ、香港。董は香港の本質を虚構性だと思っておるでしょう、きっと。埋め立てられたコンクリートの地層、とかに如実に現れていて、それは多分、実感としての虚構性であり、山がどうした海がどうしたという自然描写よりも余程リアルな香港。マルケスが南米に見つけた(続)


5月3日

(続)シュルレアリスムのように、董は香港にフィクション(小説)を見つけたんだと思う。そう思いながら、もちろん笑いながら読んでいくと、最後には美しい円環を描いて終わるのだ。だから買え。(続)


5月3日

(続)その勢いで陶然としたまま「与作」を読み出すと、これ、戸惑う…。申し訳ないが、ハルキ・ムラカミの(多分に悪意含みの)パロディにしか読めないので、私的にはこれは無かった方向にしたいが、積極的に好意的に読む方法をご教示願えると幸いです。(ちなみにぼくはムラカミ嫌いなので笑った)


5月4日

@belhaven0829 「地図集」って、多分、香港の歴史に詳しい人ほど面白いんだと思うんですよ。歴史クラスタ(という表現でいいのかしらん?)にこそ読んで欲しいっす。


5月6日

(気づいておる方が最低ひとりはおられますが、私、「ノルウェイの森」の歌詞をご存知ありませんでした。こないだの「地図集」収録の「与作」を読んで初めて知っつぃったー^^;)




『地図集』董 啓章 (藤井省三、中島京子 訳 河出書房新社)

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