『組織パターン』James O. Coplien/Neil B. Harrison2019-03-15

チャオ 焼かつおをご恵贈頂きました

チャオ 焼かつおをご恵贈頂きました


『組織パターン チームの成長によりアジャイルソフトウェア開発の変革を促す』James O. Coplien 、Neil B. Harrison (和智 右桂 訳 翔泳社)


3月15日

もはや組織を変えるのは諦めた私ですが、『組織パターン』James O. CoplienとNeil B. Harrison 読了。下手すりゃ四半世紀も前の研究ですが、弊社、これのさらに四半世紀は遅れてますわ。出発のパターン言語が「信頼で結ばれた共同体」ですから。永久に無理かも。


3月15日

しかしまあ、兎に角、昨今は小さな組織(10名前後が最大)でないとコミュニケーションオーバーヘッドが大き過ぎて生産性ダウンが常識になりつつありますが、弊社、その単位で中間管理職が増え続け、みんな手前んとこの目標があるもんだから、いやー、なんも決まらない。アホの子保育園。


3月15日

(事実を元にした事実です)




『組織パターン チームの成長によりアジャイルソフトウェア開発の変革を促す』James O. Coplien 、Neil B. Harrison (和智 右桂 訳 翔泳社)

『行動経済学の逆襲』リチャード・セイラー2018-06-18

ごはんへの希望と失望と

ごはんへの希望と失望と


『行動経済学の逆襲』リチャード・セイラー(遠藤 真美 訳 早川書房)


6月13日

いまさらながらセイラーせんせーの『行動経済学の逆襲』を読んでいるんだけど、半分まできてもぜんぜん新しいものを読んでる気がしない。まあ、まだ、エイモスせんせーもご存命だから。って、お前ら、おんなじ実験の使い回しで本を乱造すんじゃねーよ、と思ったひとはいないのかのお。


6月15日

『行動経済学の逆襲』、延々とファイナンスのアノマリーの話が続いて飽きてきた。自分のお金は好きだがお金という概念は嫌い。


6月18日

『行動経済学の逆襲』セイラー 読了。逆襲じゃなくて完勝になってるけど。ナッジの選択肢の網羅性は誰が担保すんのかとか、感想は後日。


6月20日

例えば、憲法改正が国民投票で投票行為をわりと簡単にある方向に誘導できるナッジ。倫理性のない悪意で大衆はいくらでも操作できるナッジ。リバタリアン・パターナリズムは「良い方向に誘導する」のではなく、良い方向も悪い方向も網羅し全てさらして理性を働かせるように誘導するのがいいナッジ。




『行動経済学の逆襲』リチャード・セイラー(遠藤 真美 訳 早川書房)

『ティール組織』フレデリック・ラルー2018-05-26

今日のドアップ

今日のドアップ


『ティール組織』フレデリック・ラルー(鈴木 立哉 訳 英治出版)


5月19日

なんか話題らしいので『ティール組織』読み出したんだけどさー、これ、ほんとに読み進んでも怒り出さない系? 科学とは云わないけど少なくとも何らかの客観性のある分野? 「進化」はたぶん翻訳のせいだとしても、なんで組織に色つけんの? 発達心理学「だけ」で組織論を押し通すわけじゃないよね?


5月20日

「達成型パラダイム的な現代科学の視点は、合理的に推論する私たちの能力を曇らせかねない「感情」を警戒する。一方、多元型パラダイムはときにその対極に行く。すなわち意思決定の基礎として分析的な「左脳」によるアプローチを拒絶し、「右脳」的な感情を重視する。…


5月20日

…進化型パラダイムは「知ること」についてのあらゆる領域を積極的に利用する。(…)なぜ私は怒りを覚え、恐れ、大胆になり、あるいは興奮しているのだろう? この感情を通じて、私自身や私の置かれている状況について何が明らかになってきているのだろう?」(p.14%)


5月20日

うさんくせー!なんかもうダメじゃね?これ紙本だと500ページくらいあんだよね。もうやめようかなー。

という判断に傾きつつあるということが明らかになってきている。


5月20日

(ちょっとびっくりしたが、どうもなにに怒っているのかわかってもらえていないようだ。)


5月20日

(実例が後ろにあるから買ったんだし、まだ読んでもおるが、第一部の調子のままだったら評価は変わんないと思う)


5月20日

(もうけっこう爆発的に売れているそうなので、泡沫読者のたわごとと思し召せ)


5月20日

第Ⅱ部の実例になったら、めっちゃおもろい。爽快感すら感じる。第Ⅰ部はきっと悪夢だったんだ。


5月21日

第II部、最終章(人間としてのの全体性の回復的な)あたりから、スピリチュアル色が出て参りました。さあ、このあとどうなる。


5月21日

第4章であった。なんか既視感があると思ったが、あれだ、吾妻ひでお先生の描くアルコール依存症の皆さんの互助会の雰囲気だわ。「はい!○○!」「わたしは今朝、道に迷っている人を案内して遅刻しました。これは正当な行為でしょうか」「はい!○○!」みたいな、あんなの。おれこの会社、無理だわ。


5月25日

意地でも読み終わるつもりだが、実は8割方その通りだと思っているんだよ。残り2割がスピリチュアル過ぎて腹がたつわけでね。

『知ってるつもり 無知の科学』の集団的知能とかとも親和性が高いモデルなの。


5月25日

マイマンドフルネスだの瞑想だのヨガだのそんなに流行りなのか。


5月25日

相当あたまのわるい文章だったのであろうか。


5月26日

『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』フレデリック・ラルー 読了

最初に、面白い本であることは間違いありません。お金と時間に余裕があって、いまの会社生活に不満がある方はきっと楽しめます。はい、前口上終わり。


5月26日

でだ。もしスピリチュアルなことが私よりも嫌いな人なら、読んでもいいのは第Ⅱ部第1,2,3章と第Ⅲ部第 2,3章、そして、全体性(ホールネス)と存在理由がでたらとばす、とした方が後味はよろしいかと思います。
要は、セルフマネジメントを中心にした何社かの組織の具体例は抜群に面白い。


5月26日

ただし、比較される現行組織(階層型)の具体例は一切ない。ツイッターで腐るほど見ているのでいらないといえばいらないが、比較対象の一方がない(付録のアンケートもティール組織と思われる十数社にしか行っていない)のでもはや学術的には無価値。


5月26日

インタビューも引用も全てその筋の有名人ばかり、ラルー氏が原注で告白するように確証バイアスにどっぷり浸かっております。
ですが、先にあげた章の具体例は実に面白い。
その核心は「中間管理職がいないので間接費がバカ安」、これに尽きる。現場で全工程をやることの良さは


5月26日

「従業員のホールネス」も「組織の存在理由」も霞んで見えるほどの素晴らしさ。あの膨大な無駄レイアを取っ払ってしまえたら、べつに自己実現だの組織の目的との一体感だのはどうでもよろしい。階層型組織でも無駄レイアのスリム化は可能だし、ティールとか言い出さなくてもいいはずだ。


5月26日

で、私の業界で言いますと、まあ、ユーザー企業のシステム部門から独立してきたSIer系はほぼ階層型。外資はそれよりもフラットだが五十歩百歩。で、昨今のマイクロサービスだのモード2クラウドだののスピードにはまったくついていけてない。これ、中間管理職の意思決定の遅さと間接費のせい。


5月26日

それは、チームが個別で10人程度に小分けしているからなのね。この枠でオンコール以外の時間(50%)でやりたい改善をやってもいいよ、と期待されている。それをどんどん他のチームに売り込んでいる。フィードバックがある。でも、グーグルが階層型組織でないとは誰も言わんだろう。


5月26日

なので、進化論を根本から間違えている進化型(ティール)組織を名乗らずに、前記の実現を尽く阻む中間管理無駄レイアを効果的にスリム化する具体的な技術論を研究すると良いと思う。

あ、部長職のために部を分割して組織を小さくするのは今もやってるね。(これが意思決定を遅くする元凶だがw)


5月26日

といった感じで、読みたいひとは読むとよいし、読みたくない人は読まないでもよいし、その辺はセルフマネジメントしてくだされ。


6月6日

そういや、『ティール組織』にもこれでもかってくらいアインシュタインの言葉が引用されていたな。スピリチュアルと一緒にするな。


6月15日

『ティール組織』からスピリチュアルを外して読むと、こういうことも導けるので、ほんとうにあのスピリチュアルさ加減が残念だ。




『ティール組織』フレデリック・ラルー(鈴木 立哉 訳 英治出版)

『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール2018-05-19

一心同体、メシくれブラザース

一心同体、メシくれブラザース


『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール(村井 章子 訳 文藝春秋)


5月12日

『帳簿の世界史』も面白いわ。ハードカバーで買おうとしたら置き場所問題で忘れてたから電子書籍で読んでるけど、濃いわー。


5月19日

この際、私もいちおうなんにでも意見を言えるというところで、予算審議でなんで加計問題とかやってるんだ予算を審議しろよ、などというコメントもたまに見かけるが、『帳簿の世界史』を読むと、文字どおり複式簿記に善と悪の借方貸方をつけるのがあの場なんだよね、ということがよくわかる。


5月19日

『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール 読了。帳簿の威力で成功し、その透明性を恐れた権力が衰退する、っていう複式世界史。そもそもマタイが儲けちゃいかんがちゃんと利子を取りなさいとか言うのでキリスト教圏大混乱。あのトマス・アクィナスが公正価格なんていう抜け道を編み出したそうで。楽しい。




『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール(村井 章子 訳 文藝春秋)

『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー2018-01-29

ブラッシングあとのゴブ

ブラッシングあとのゴブ


『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー(片岡 宏仁 訳 勁草書房)


2017年12月26日

『消費資本主義!』原書『Spent』
shorebirdさんの書評の最終行がこれ!
「一旦本書を読むと,すべての商品,すべての広告,そして政治的態度や自慢話にまで,これまで気づくことがなかった側面があることがわかり,街の風景が異なって見える.そんな破壊力のある本である」


12月30日

昨日で八重洲ブックセンターで買った本

『魔法にかかった男』ブッツァーティ
『トマス・アクィナス』山本芳久
『デルフィーヌの友情』デルフィーヌ・ド・ヴィガン
『イブン・タイミーヤ政治論集』
『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー


2018年1月16日

というわけで、次は、見せびらかしという嘘と虚飾に塗れた悪徳の書『消費資本主義!』(ジェフリー・ミラー)を読んで、アクィナスの恩寵を帳消しにしてしまうのです。


1月18日

いやー、序盤は序盤で前提編をゴシップまぜて楽しく読ませる手管で楽しいっすよ。


1月18日

ミラー先生の『消費資本主義!』ですけど、民主主義をプラトンが否定したのも、マーケティングの大衆文化をエリートが嫌うのも、根っこは同じだよー、とか。そんで「この本を読むような趣味をもってたらエリートだよ」と薄笑いを浮かべて挑発したり。語りが面白い。


1月20日

勝手に応援団。

ミラー『消費資本主義!』P.91

「本書が目指す目標の一つは、進化でつくられた人間本性がどのようにいまの市場経済に関わっているのかを明らかにして、有機的な適応と人工製品それぞれに適正な相対的価値を割り振ることができるようにすることにある」


1月20日

例えば、岩波新書『トマス・アクィナス 理性と神秘』(860円)と、本書(3500円)と、本書という読み易い翻訳書があるのにMillerの原書『Spent』(Kindle版で1400円)に手を出す、各々の見せびらかしの相対的価値は進化的適応としてはどんな順番になるのか。きっと本書を読めばわかることであろう。


1月21日

今日の応援団。

ミラー『消費資本主義!』p.146

「次のどちらのスローガンの方が、聞こえがいいだろう?――「ロレアル:あなたにふさわしい製品を」だろうか、それとも「ロレアル:あなたのカレシにちょっかいかけやがるあのスタバのくされバリスタ女より若く見せたいあなたに」だろうか?」


1月21日

…「ここまで読み進めてくれた読者なら、「生まれてこの方ずっと広告のぼんやりした美辞麗句や仲間の圧力に目をくらまされて非合理な支出習慣にはまりこんでいる適応度見せびらかし大好きな自己愛まみれの消費者」という自己像を受け入れてしまった方が、


1月21日

…本書の議論に気分よくつきあえることはお気づきだろう。言い換えると、本書を読み進めていて、不快で休まらない思いをしていたはずだ。実を言うと、科学はときどき心をきずつけるのだ。」

そしてこのあと、延々と性的なプライミング(呼び水、条件付け)の見せびらかし消費効果実験が続くの。


1月21日

ロレアルが「あなたにふさわしい製品」を提供し、あなたが自分のために自分にふさわしいロレアルを買っていると思っていると、ここら辺で本書を壁に叩きつけたくなるわよ。

科学って、ひどい。


1月21日

(応援になってない気がしてきた…)


1月22日

ミラー『消費資本主義!』

第8章に入って、しばしばツイッターでも炎上している「女性化粧品の生殖能力の誇張」を、ミラー先生は露悪的なまでにアジるので、真に知的な女性以外は本書をファウンデーションの彼方に埋めてしまうかと。以上、面白いところを販促引用できなくなり始めた現場でした。


1月23日

いちおうフォローしておくと、ミラー先生ももちろん男だって「生殖能力の誇示」をもっと盛大にやっているぞ誤読するな、とおっしゃってますのでー。


1月28日

しかしなんだ、『消費資本主義!』(ミラー)の開放性の章を読んでいると、安定性が最低のくせに開放性が高いことの危険をまざまざと感じる。せいぜいうつ病程度ですんでよく生きてこられたよ、おれ。若干、堅実性が高めなのでなんとかなってんのかな。


1月28日

「堅実性」の章を読みながら思うのは、ヒトの心理は石器時代を生きているという進化心理学の根本的な立場に、性格ビッグファイブが各々ベルカーブを描くという発見を合わせれば、ヒトは環境に合わせて性格が変わるようにゲノムを進化させて今に至るということなわけで、遺伝か環境かではなく、


1月28日

個々人の性格は男女や民族などの違いによる生活環境に合わせて形成できるような進化を遂げたわけだと思う。例えば臆病で獲物を捕れないライオンは生きられないが、臆病なヒトの男が有利に生きられる民族的な環境があればヒトの男は代々臆病な性格を生き残らせていくはず。なんて堅実なゲノム生物。


1月28日

だから、これに対しての反証可能性は、ライオンの堅実性や開放性が連続的なスペクトラムを描くか、それともほぼ同程度で固定されているかを測ればいい。怖いけど。


1月28日

性格は「空白の石版(ブランクスレート)で環境による形成がほとんどだ」という主張はまさにそのとおり。ただ、その環境の変化はゲノムの進化よりも圧倒的に早く、これに合わせて生き残る可能性を高めるには「環境に合わせて性格スペクトラムを調整できるツマミ」が石版にゲノムで書かれのだと思う。


1月28日

というわけで、そのツマミを調節して最も繁殖可能性や生存確率をあげるのが「見せびらかし」能力なわけなんだけど、ミラー先生の目にはこの消費資本主義社会はマーケティングに踊らされ自分が何を見せびらかし、どこにツマミをチューニングしているのかわからなくなっていると映るようで。


1月28日

第15章「魂の遠心分離」では、自分は消費自己愛まみれだと認識しツマミを自らの手に取り戻そうじゃないかと訴えるのだ。買うのを三年待ったり、借りたり、古着を着たり、ほしいものリストに入れて贈り物を期待したり。……なぜだ! なぜいきなりそんなにセコくなるんだ! ミラーせんせー!


1月29日

『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー(片岡宏仁訳) 読了。やっぱり面白いですわ。16、17章の強引な主張も批判的に読めばちょっと面白いことがいろいろ思いつけますし、ちょっと思いついたことを喜々としてツイートするような私とアイデア豊富なミラー先生を並べるのもなんですが親近感を感じますw


1月28日

『消費資本主義!』の訳者片岡さんのあとがきはこちらでたちよみできます。

http://keisobiblio.com/2018/01/17/atogakitachiyomi_shohishihonshugi/


1月30日

日本翻訳大賞 推薦文その二

『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー 片岡宏仁訳

少し引用します。


1月30日

『次のどちらのスローガンの方が、聞こえがいいだろう?――「ロレアル:あなたにふさわしい製品を」だろうか、それとも「ロレアル:あなたのカレシにちょっかいかけやがるあのスタバのくされバリスタ女より若く見せたいあなたに」だろうか?


1月30日

本書の議論に気分よくつきあえることはお気づきだろう。言い換えると、本書を読み進めていて、不快で休まらない思いをしていたはずだ。実を言うと、科学はときどき心をきずつけるのだ。』


1月30日

『次のどちらのスローガンの方が、聞こえがいいだろう?――「ロレアル:あなたにふさわしい製品を」だろうか、それとも「ロレアル:あなたのカレシにちょっかいかけやがるあのスタバのくされバリスタ女より若く見せたいあなたに」だろうか?


1月30日

本書は、進化心理学の視点からこの100年にも満たない消費資本主義の本質は繁殖相手への自分の知性と性格の見せびらかしなのだと説明する大興奮の内容を、こんな破格の翻訳で楽しませてしまうスリリングな学術書なのです。


2月12日

日本の強いマーケティングを求める貴方に『消費資本主義!』(ジェフリー・ミラー)。
ブランド力とは本当にデザインの洗練や機能の信頼性、逆に手間のかかる趣味を売っているのか? いや! 消費者は性淘汰による知性と性格の見せびらかしを買っている! ここに戻れば日本のブランド、カムバック!


2月12日

そんな新作マナーにお困りの皆さんに『消費資本主義!』(ジェフリー・ミラー)。

マナーを守るインセンティブには同調性や外交性を見せびらかして繁殖価を高くする性淘汰が? 関係ない爺婆はマナーなど守る必要はないと認識すればもっと暮らしやすい世の中がやってくる!(なんにでも使えるな)




『消費資本主義!』ジェフリー・ミラー(片岡 宏仁 訳 勁草書房)

『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン2017-11-12

とりあえずここが疑問

とりあえずここが疑問


『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン(村井章子 訳 早川書房)


10月30日

カーネマン『ファスト&スロー』 『「必要性とは無関係に衒学的な専門用語を使用することの影響すなわち無用に長い単語を使うことの弊害」と題する論文を書いた。この論文でオッペンハイマーは、ありふれた考えをもったいぶった言葉で表現すると、知性が乏しく信憑性が低いとみなされることを示した』


10月31日

カーネマン
『悲しいことを考えた被験者は、直感的な作業をまったく正確にこなせなくなってしまったことである。彼らの答はどれも、でたらめとほとんど変わらなかった。このように、気分は明らかにシステム1の働きを左右する。不機嫌なときや不幸なとき、私たちは直感のきらめきを失ってしまう』


10月31日

カーネマン
『ファスト&スロー』ですけど、『お世辞を言う機械はお好き?』でも、うつ傾向のある人の自己評価は第三者評価に近いという(普通は自己過大評価)報告があったが、合わせてみると、悲観的な情動はシステム1(直感ヒューリスティック)を抑制してしまうということではないかしらん。腑に落ちる。


11月7日

なるべく直感で選んでくだされ。

問題1 あなたは現在の財産に上乗せして1000ドルもらったうえで、次のどちらかを選ぶように言われました。


11月7日

問題2 あなたは現在の財産に上乗せして2000ドルもらったうえで、次のどちらかを選ぶように言われました。


11月7日

カーネマンのあれですが、なんか納得いかんので。


11月9日

果が出ました。ありがとうございます。
カーネマン曰く、大方の人が、問題1ではリスク回避で「確実に500$得る」を選び、問題2ではリスクをとり「50%で1000$失う」を選ぶと。(『ファスト&スロー』 第26章 プロスペクト理論)

少なくとも、問題2はまったく逆でした。この問題の問題含め感想は後日。


11月9日

ちなみに、私は問題1はギャンブル、問題2は確実に、でした。『ファスト&スロー』でのカーネマンの解説もよく分からんし、その後の章とも矛盾してる気がするし、そもそもこういう問題を被験者に提示する際に別のバイアスがかかっていなかったか、という疑念は出ますよね。


11月12日

『ファスト&スロー』カーネマン 読了。人に備わる、素早く判断するシステム1と怠け者の合理的システム2、経済合理的エコンとヒューマン、経験する自己と記憶する自己、を軸にカーネマンが解説してるんで、読む人は読むのでわしが何か言うことはない。というか、シンゴジラが。とりあえずここが疑問。 https://pic.twitter.com/5fwFwm19iM


11月13日

ここでカーネマンはかなり変な説明をしていると思う。
問題1、2の選択は論理的には同じだが、予め「もらった」1000$と2000$がそれぞれ「参照点」となってリスク回避からリスク追求に選択が変わると主張している。
ところが直後に、たかが数千ドルでは財産が増えたとは認識せず、問題1は利得の表現で、


11月13日

問題2は損失の表現であることにだけ引きずられ、最初にもらった1000$や2000$のことは元々の財産という参照点に隠れてしまうからこそ、リスク回避とリスク追求に変わると言っている。

本当にこの試験は言っているような結果を得たのだろうか。信用出来ない。

20人程度の母集団だから今回とほぼ同じ。


11月13日

多分、アンケートに答えていただいた方は、問題を独立で読んで、どちらも「利得」の問題だと直感したはず。で、カーネマンが最初に言うように1000$、2000$が重大な参照点で、そこからの変化を考えて選択するからこの問題はどちらも大きく「リスク回避」に傾いたと思う。そもそも、1000$、2000$を


11月13日

もらわずに同じ選択をさせていたら、参照点が0なので、問題1は利得でリスク回避、問題2は損失でリスク追求になったのは間違いないのに。 財産の静的な状態が問題1と2では同じであるにもかかわらず選択が違う発見を説明したいがためにかなりおかしなことになっている。


11月14日

この問題はプロスペクト理論の最初の論文の有名なやつだそうだけど、本当の本当に、この結果だったのかな。

1000$、2000$をもらったことをすぐに忘れるほどの大金持ちを被験者にしたのでなければ、こんなおかしな結果にはならないと思うのだが。
以上、ご協力ありがとうございました。




『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン(村井章子 訳 早川書房)

『貧困と闘う知 教育・健康・金融・ガバナンス』エステル・デュフロ2017-10-03

なかよく、おそと見物

なかよく、おそと見物


『貧困と闘う知 教育・健康・金融・ガバナンス』エステル・デュフロ(峯 陽一 訳 みすず書房)


10月3日

『貧困と闘う知 教育・健康・金融・ガバナンス』エステル・デュフロ 読了。眠たいので感想は明日ー。


10月4日

『貧困と闘う知 教育、医療、金融、ガバナンス』エステル・デュフロ 読了。
開発経済学ではアマルティア・センのケイパビリティアプローチを定量的に測る常識となったらしいランダム化比較実験で、貧困と闘う手法を徹底的に現実に則して探す硬い本。→


10月4日

『貧困と闘う知 教育、医療、金融、ガバナンス』エステル・デュフロ 読了。
開発経済学ではアマルティア・センのケイパビリティアプローチを定量的に測る常識となったらしいランダム化比較実験で、貧困と闘う手法を徹底的に現実に則して探す硬い本。→


10月4日

→「教育と医療」では、伝統的な物量人海戦術的支援よりも、支援される側のモチベーションと正しい情報によるインセンティブの方が効果が大きいことを明確にし、「金融とガバナンス」ではノーベル平和賞までとったマイクロクレジットの手法で最も効果があったのは→


10月4日

→実は支援される者の起業精神を煽るからではなく隣組のようなソーシャル・キャピタルを形成するからだとあぶり出し、また強制的に女性を政治的指導者にする政策は女性に対する差別はなくせないが男性にその能力を認めさせる効果が高いという興味深い成果が出ているなど、→


10月4日

→実は支援される者の起業精神を煽るからではなく隣組のようなソーシャル・キャピタルを形成するからだとあぶり出し、また強制的に女性を政治的指導者にする政策は女性に対する差別はなくせないが男性にその能力を認めさせる効果が高いという興味深い成果が出ているなど、→


10月4日

→とにかく理路整然と圧倒的なエビデンスと現実主義で押してくる。

バナジーとの共著『貧乏人の経済学』(山形浩生訳)の方が物語的で読みやすいが、こちらの理屈の迫力もいいでさ。


10月5日

こないだ感想書いたデュフロの『貧困と闘う知』は、インドネシア、インド、ブラジルなどが中心ですけど、著者本人も言うようにOECD内でも相対的貧困の激しい日本などはもう「開発経済学」のお世話にならなければいけない発展途上国なんじゃろか。




『貧困と闘う知 教育・健康・金融・ガバナンス』エステル・デュフロ(峯 陽一 訳 みすず書房)

『成功する人は偶然を味方にする』ロバート・H・フランク2017-08-06

ちょっとでかけてきます

ちょっとでかけてきます


『成功する人は偶然を味方にする―運と成功の経済学―』ロバート・H・フランク(月沢 李歌子 訳 日本経済新聞社)


8月6日

『成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学』ロバート・H・フランク 読了

控えめに言って下品なタイトルですがハウツーものではなく、フランク先生の体験を披露しながら「競争への参加者が増えるほど勝利には運が大きく作用する」ことを「ふろく1」で分かりやすく説明している。


8月6日

そして、「成功したのは100%私の才能と努力のおかげ」と思い込みたい富裕層を丹念に説得し、累進的所得税から累進的直接消費税に切り替えれば、公共投資に向けられるだけ税収に余裕ができるよ。


8月6日

という、これだけ聞くとけっこう謎の論理があるのですが、その論拠は、①間接消費税じゃなくて「所得−貯蓄」額(つまり消費額)の自己申告に累進的に課税するので、富裕層がディスプレイ的な贅沢を節約するから、所得カスケードで中低所得層のディスプレイ規模も縮小し、その分貯蓄や投資に回るよ。


8月6日

②節約分を公共事業にまわして道路の凸凹を直して増税でフェラーリ買えなくてもポルシェで快適に走れるようになるから富裕層も恩恵を受けるよ。>/p>


8月6日

ということなのであるが、制度のコペルニクス的転回だと思うし、そもそも、本当に投資が増えるのか(今の日本でやったらどうなのか)とか、謎が謎を呼ぶなあ、と思ったら「ふろく2」でそんな素朴な質問と回答がまとめてあった!


8月6日

ちょっとスッキリした。ちなみに、誰でも疑問に思いそうな「今まで所得税払って貯めた金を今度は消費税で二重課税しおるか!」という激怒にも、「その辺は非課税にするようにしないとだめだよね」と軽くいなしておった。しかし、そんなきれいに切り替わるのか…。


8月6日

でも、相対的貧困率を逆手に取ったような相対的富裕率のような論拠は、進化心理学に明るいとの著者(謝辞にドーキンスいた)の面目躍如なのではなかろうか、そこが一番面白い。

電子書籍もあるから、すぐ読めるよ。




『成功する人は偶然を味方にする―運と成功の経済学―』ロバート・H・フランク(月沢 李歌子 訳 日本経済新聞社)

『お世辞を言う機械はお好き?』クリフォード・ナス+コリーナ・イェン2017-07-09

と思いました。そんな私は、この図でいうと、月曜から金曜は左下と左上を往復し、土日は右上で日曜夜に右下を通って左下に移動する、そんな生活をしております。面白いよ。

と思いました。そんな私は、この図でいうと、月曜から金曜は左下と左上を往復し、土日は右上で日曜夜に右下を通って左下に移動する、そんな生活をしております。面白いよ。


『お世辞を言う機械はお好き? コンピューターから学ぶ対人関係の心理学』クリフォード・ナス+コリーナ・イェン(細馬 宏通 監訳、成田 啓行 訳 福村出版)


7月6日

『お世辞を言う機械はお好き?』っつうのを読んでて面白いのだが、MS-Officeに「クリッパー」なんていうイルカもどきがいたとは知らなかった。群を抜いた嫌われ者だったそうでw


7月9日

『お世辞を言う機械はお好き? コンピューターから学ぶ対人関係の心理学』クリフォード・ナス+コリーナ・イェン 読了。コンピューターを人間(社会的行為者)として扱う人間の志向的構えを利用して、例えばみえみえのお世辞が人間関係にどういう影響をどの程度与えるかといった、人間だけでは


7月9日

個々人が持っている属性が多すぎて比較対照群を作ることがとても難しい実験を、コンピューターに「お世辞を言う」以外全く同じ条件を作って比較すると見事にクリアな結果が出るという面白い実験が30個ほども紹介。コンピューターでさえみえみえのお世辞を並べるだけで評価を上げてしまう人間。


7月9日

これが人間でもほぼ同じ、何といっても機械ですらこの結果なのだから。(機械だからバイアスかかってんじゃねーの?と思うひとは前著『人はなぜコンピューターを人間として扱うか』を読むといいらしい)
というわけで、人間関係に悩む人は読むとよいかも。私は「自分の情動を調整するには、抑制では


7月9日

なく認知的再評価(リフレーミング)を用いること」に実験を通して初めて納得した。要は「満員電車で入り口に立ちふさがるひとにいきなり怒らず、『ああ、このひとは少し頭の弱い残念なひとなんだな』と再評価する」ってことなんですが、コンピューター相手にも効果的なのを見て、やっぱりそうすべき


7月9日

と思いました。そんな私は、この図でいうと、月曜から金曜は左下と左上を往復し、土日は右上で日曜夜に右下を通って左下に移動する、そんな生活をしております。面白いよ。


7月13日

ほとんどが制度ですらないのでいつでもできるし、大企業は同じようなことを言ってるはず。問題はそのメッセージと正反対のメッセージもずっと出し続けている最も嫌悪されるパターン。『お世辞を言う機械はお好き?』にも明示的メッセージと暗示的メッセージが矛盾する人は最悪の信頼度と結論ついてる。


7月14日

これは『お世辞を言う機械はお好き?』でも、人間の女が男の形のアバター二人と競う数学試験と、女のアバター二人(または男と女ひとりずつ)と競う場合では、圧倒的に後者の方で成績が良かったそうな。




『お世辞を言う機械はお好き? コンピューターから学ぶ対人関係の心理学』クリフォード・ナス+コリーナ・イェン(細馬 宏通 監訳、成田 啓行 訳 福村出版)

『失敗の科学』マシュー・サイド2017-06-03

今日の多角的アンモニャイト

今日の多角的アンモニャイト


『失敗の科学』マシュー・サイド(有枝 春 訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン)


6月2日

で、暑いので会社を休んで『失敗の科学』マシュー・サイドを読んでるわけですが、ここでは航空業界が「失敗から学ぶ」優等生として扱われてますけど、ミカ・ゼンコ『レッドチーム思考』では第三者のセキュリティ上の脆弱性指摘をまったく受付けないダメ組織の代表になっているので、まあ、


6月3日

もうちょいで読み終わる『失敗の科学』を読んでると、こういう漁獲量規制も、「規制群」と「対照群(規制しない)」で追跡比較してみるとかできたと思うんですよねー。全面規制か放置か、じゃなくて、効果を具体的に目に見えるようミニマムで測って進めて。そんなのが、今でもごろごろあんだけどね。


6月3日

『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド 読了

うーん、あまりにも反論できるところがないので(つまりほとんど同意なので)かえって自分にバイアスかかってんじゃねーか、と思うくらい。

例えば、(身バレするので適宜改変)数年前にこんなメールを社内に


6月3日

投げた私ですから。
「当社は運用現場でリスクを拾い出せとは言うが、報告すると対応する予算がなく、すでにいっぱいいっぱいの運用現場で対策をとれとブーメランのように帰ってくる風土。見て見ぬふりからリスクが顕在化してかえってコスト高になっている」


6月3日

「ひとがミスをするのは当然だ。必要なのはシステマチックに改善することであって、ミスを非難したり無くせと圧力をかけることは隠蔽体質になるだけで逆効果だ」「ミスを報告することにインセンティブを設けろ」


6月3日

「あれこれ風土改革のためにグループ単位で討論させるが、その報告をとりまとめて具体的にフィードバックされることがほとんどないのはなぜか。無駄だ」「ミスのない運用現場は簡単だからではなく努力でミスをなくしている。ミスがないことにインセンティブを設けろ」


6月3日

あー、だんだん『失敗の科学』とは関係ない愚痴になってきたので終わりますが、この本は、心理学から行動経済学、組織論、科学論などをバックに超具体的な失敗とその検討、その検討そのものの分析、誰でも今からでも実践できる失敗する技術など、素晴らしく面白いよ。


7月2日

#2017年上半期の本ベスト約10冊 ②

『部屋をめぐる旅』グザヴィエ・ド・メーストル
『図書館の魔女 烏の伝言』高田大介
『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
『ジョン王』シェイクスピア
『思考の技法 直観ポンプと77の思考術』デネット




『失敗の科学』マシュー・サイド(有枝 春 訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン)